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50.QUEEN

女装店の老舗といえばエリザベス会館です。私にとってエリザベス会館から発行をされていた【くいーん】が女装を勉強する上で貴重な雑誌の一つでした。くいーんはアマチュアの女装愛好者向の貴重な情報源で、創刊号は1980年。100号以上続いた伝説の雑誌です(残念ながら2003年より休刊となりました)。
経済成長期から日本女装がどのような経過をたどり今の女装スタイルになったのか。くいーんにはその歩みを知る為のヒントが数多く含まれています。

昨日、私が大尊敬をしている女装界の重鎮とも言える方(先方から名前は伏せるように言われています)からくいーんを全巻頂きました。入手困難となってしまった号まで含まれています。頂いた瞬間、感激で体が震えました。

くいーんは全国流通されていましたが、主にエリザベス会館にて販売をしていたようです。インターネットが普及されていない頃、女装情報の収集はおろかくいーんの入手さえ困難でした。昨今、インターネットの普及によって女装情報を自由に得ることが出来るようになり、一般書店でも女装関係の雑誌を目にするようになりました。大変便利になったと思います。
それと同時に情報が入手しにくい頃に比べて、女装をするという行為を軽く考える若い世代が増えつつあるような気がします。同じような事を、以前三橋順子さんとお会いした際にも話題になりました。

「最近女装を始めた若者はくいーんを読んだことがないでしょうね」と、くいーんを下さった方が少し寂しそうに仰っていました。女装の歴史を知ることは、これからの女装のあり方を教えてくれるのだと思います。
くいーんは私にとっても、日本女装文化にとっても大切な宝物です。
2010年12月15日